連動露出計の表示が異なっている製品が製造されています
– 設定の LV( ライトバリュー )表示の有無が主な違いです –
LV( ライトバリュー )の表示機能がある製品の連動露出計には、ディスク状の部品の外周に沿った目盛りのあるプレートが付いています。
ライトバリューを表示するタイプの製品では、ディスク状の部品の形状が目盛りのプレートに沿って回転する円形になっています。
ライトバリュー目盛りのプレートが付いていないタイプの製品では、ディスクの外周の一部分がひと回り大きくなっていて、その部分にフィルム感度の表示サインが記されています。
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LV 表示機能なし– 画像右 –
LV 表示機能あり
LV 表示機能なし
LV 表示機能あり
目盛りが付いているタイプの製品には、ディスク状の部品にメーターの指標となる ▲ マークとフィルム感度表示の他に ● マークが印されています。
目盛りの指標となる ● マークがある位置で設定のライトバリューを示す事ができます。
ライトバリューの目盛りは 2 から 18 までの値になっています。( シャッターを B にした開放絞りで 2 となり、LV としての撮影設定は 3 から 18 )
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詳しくは
で紹介しています
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ライトバリューの目盛りがある製品にも、表示と設定機能が異なっているタイプがあります。
ディスク状の部品は二重構造になっていて、▲ マークのある上の層と ● マークおよびフィルム感度を表す数値が記してある下の層で構成されています。
下の層に記してある数値の種類と値が異なっていて、この違いに対応して上の層のディスクの形状と表示が異なる製品があります。さらに下の層の配色が異なっています。
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フィルム感度表示 〈 ASA 〉 のみ– 画像右 –
フィルム感度表示 〈 ASA 〉 と 〈 DIN 〉
フィルム感度表示 〈 ASA 〉 のみ
フィルム感度表示 〈 ASA 〉 と 〈 DIN 〉
上の層のディスクには下の層にあるフィルム感度の数値を表示させるための開口部が設けられています。
この開口部が1つある製品と2つある製品が存在していて、感度表示の規格には 〈 ASA 〉 のみ、もしくは 〈 ASA 〉 と 〈 DIN 〉 の両方が用いられた製品があります。
表示させるフィルム感度の値の単位となる規格名が開口部の近くに記してあります。
設定できる感度範囲が異なる製品があります
設定できる最小感度はどのタイプの製品でも 〈 ASA 10 〉 または 〈 ASA 10 と DIN 11° 〉 になっていますが 、最高感度は 〈 ASA 400 〉 または 〈 ASA 800 と DIN 30° 〉 もしくは 〈 ASA 1600 と DIN 33° 〉 になっています。
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– 画像左 –
各タイプの製品の最小設定感度– 画像右 –
各タイプの製品の最大設定感度
各タイプの製品の最小設定感度
各タイプの製品の最大設定感度
最小設定感度は各タイプの製品とも共通 〈 ASA 10 , ASA 10 / DIN 11° 〉
– 画像左 –
最高設定感度〈 ASA 400 〉– 画像中央 –
最高設定感度〈 ASA 800 / DIN 30° 〉– 画像右 –
最高設定感度〈 ASA 1600 / DIN 33° 〉
最高設定感度〈 ASA 400 〉
最高設定感度〈 ASA 800 / DIN 30° 〉
最高設定感度〈 ASA 1600 / DIN 33° 〉
ASA 10ASA 32ASA 50ASA 100
ASA 200ASA 400ライトバリュー表示 : あり フィルム感度表示 : ASA 設定感度 : 10 〜 800
ASA 10 / DIN 11°ASA 32 / DIN 16°ASA 50 / DIN 18°ASA 100 / DIN 21°
ASA 200 / DIN 24°ASA 400 / DIN 27°ASA 800 / DIN 30°ライトバリュー表示 : あり フィルム感度表示 : ASA / DIN 設定感度 : 10 / 11° 〜 800 / 30°
ASA 10 / DIN 11°ASA 32 / DIN 16°ASA 50 / DIN 18°ASA 100 / DIN 21°
ASA 200 / DIN 24°ASA 400 / DIN 27°ASA 800 / DIN 30°ASA 1600 / DIN 33°ライトバリュー表示 : なし フィルム感度表示 : ASA / DIN 設定感度 : 10 / 11° 〜 1600 / 33°
〈 minolta auto wide 〉はライトバリューシステムを用いてメーター針に ▲ マークの指標を合わせる操作によって、絞りとシャッター速度の両方の設定を内蔵露出計と連動させる事を可能としたカメラです。
〝 追針式 〟と呼ばれるこの方法により、ライトバリューシステムを用いながらもライトバリューの表示を必ずしも必要とはしていません。
詳しくは
– コラム –
の項で紹介しています
ライトバリューの目盛りを持たないタイプの製品は、ライトバリューを表示しない事によって〝 内蔵露出計に完全に連動したカメラ 〟である事をアピールしているかの様にも思えます。
ASA ( American Standards Association : アメリカ標準協会 ) 規格
製品が発売された当時のアメリカの国内工業規格
1918年に AESC ( American Engineering Standards Committee : アメリカ工業規格委員会) として設立され、1928年に ASA へと改名した標準化組織による規格。
1966年に USASI ( United States of America Standards Institute : アメリカ合衆国規格協会 ) へと発展して、1969年に ANSI ( American National Standards Institute : アメリカ国家規格協会 ) に改名しています。
DIN ( Deutsche Industrie Normen : ドイツ工業規格 ) 規格
製品が発売された当時のドイツの国内工業規格
1917年に NADI ( Normenasschu der deutschen Industrie : ドイツ工業規格委員会 ) として設立され、1926年に DNA ( Deutscher Normenausschuss : ドイツ標準化委員会) へと発展した標準化組織による規格。
1975年にドイツの国家標準化機関となって規格名と同じ略称の DIN ( Deutsches Institut für Normung e.V. : ドイツ規格協会 ) へ改名しています。
ISO( International Organization for Standardization : 国際標準化機構 )は1947年に発足していましたが、製品が発売された1958年当時はフィルム感度の ISO 規格がなく、感度表記は ASA と DIN 規格で表示されたフィルムが市販されていました。
1982年に ISO 規格が策定されて 《 ISO 100 / 21° 》 のように、それまでにあった両方の規格を併記する形で統一されています。
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