minolta auto wide
マニュアル
その5
フィルムの巻き戻し
フィルムの巻き戻しは、カメラ底面にある巻き戻しクランクの操作によって、パトローネ室の天井にある巻き戻し軸を動かして行う仕組みになっています。
巻き戻しクランクのレバーはカメラの底面にあります
巻き戻しクランクのレバーは、底面にある配置が活かされたサイズの大きいものが付いています。
ボトムカバーにはレバーの形にあわせたしずく型の凹みがあり、倒された状態で納められています。
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フィルムの巻き戻しをするために、パーフォレーションと噛み合っているスプロケットと巻き上げレバーとの連動を解除します。
三脚取り付け穴のすぐ横にある突起が、スプロケットの連動ギアを解除するための「 巻き戻しボタン 」です。
巻き戻しボタンを押すと、巻き上げレバーの動きをスプロケットに伝える連動が解除されて巻き戻しができる状態になります。
同時に、ボトムカバーに納まっていた巻き戻しクランクのレバーがポップアップします。
巻き戻しボタンを押すとスプロケットギアが解除され、同時に巻き戻しクランクのレバーがポップアップします。
ポップアップしたレバーをそのまま起こします。
起こしたレバーを操作位置まで倒すと、ヒンジの付け根にある円錐型の凸起が、巻き戻し軸と連動するシャフトの頭頂部にある凹みにハマります。凹みは半円形で4箇所あり、シャフトの頭頂部は丸みのある十字形をしています。
中心には、巻き上げによって回転するシャフトの動きを確認するための赤い線が引かれています。
起こしたレバーを操作位置まで倒すと、ヒンジの付け根にある円錐型の凸起が、巻き戻し軸と連動するシャフトの頭頂部にある凹みにハマります。
中心には、巻き上げによって回転するシャフトの動きを確認するための赤い線が引かれています。
起こしたレバーのヒンジ部分の凸起が、そのままではシャフトの凹みにハマらない位置にある時は、レバーを動かして位置を合わせて倒します。
倒したレバーの裏側には、巻き戻しの回転方向を示す矢印が記されています。
– 画像左 –
レバーのツマミが収まる穴– 画像右 –
巻き戻しクランクレバーのツマミ
レバーのツマミが収まる穴
巻き戻しクランクレバーのツマミ
- 画像左 : ツマミが収まる穴の中に見える金属線は、クリップ状のバネになっています。
- 画像右 : レバーのツマミには側面の中央あたりにミゾがあり、画像左の穴にツマミを押し込むとクリップがこのミゾを抱え込んでレバーが固定されます。
レバーの先端には側面がローラーになっている突起があり、クランク操作でのツマミとなります。
レバーがボトムカバーに収まっている状態では、溝にある穴の中に見えているクリップ状のバネがツマミを挟み込む事でレバーが保持されています
巻き戻しボタンが付いていない製品があります
このタイプの製品では巻き戻しレバーの先端に指を掛けて、底面に保持しているクリップからツマミを外す力を入れて直接レバーを起こします。
巻き戻しボタンを押してレバーをポップアップさせた時と同様に、スプロケットギアと巻き上げレバーとの連動が解除されて巻き戻しが出来る状態になります。
巻き戻しボタンの有る製品と無い製品については
の項で紹介しています
巻き戻しクランクの操作方向は、カメラ上部に巻き戻しクランクがある製品と同様に時計回りです。
この操作でパトローネ室の天井にある巻き戻し軸が回転してフィルムが巻き戻されます。
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カメラ本体と比べてもかなり大きなレバーが付いた巻き戻しクランクは、回転半径も大きく巻き戻しの操作は軽くてスムーズです。
上の画像は左上から時計回りの順に、巻き戻しクランクのレバー操作でパトローネ室の天井にある巻き戻し軸を動かしている様子です。
底から見上げる位置の巻き戻し軸の回転は、巻き戻しクランクの操作方向とは逆となります。
製品が発売された当時は135規格フィルムのスプールの下部(パトローネから突き出ている側)には回転の力を受ける引っかかりとなるツメが付けられていませんでした。
フィルムを巻き戻す操作部分をカメラの底部に設ける場合でもスプールの上部から力を伝える仕組みが必要になっていました( パトローネ室を左手側に設けてフィルムを右手側に送る構造の場合 )。
後にフィルムパトローネのスプールの下部にも動力を受けるツメが付けられるようになると、カメラ底部に巻き戻しクランクを設ける場合であっても、上部からの操作と同じ様にスプールを下部から直接回転させるシンプルな仕組みにする事が出来ました。
スプールの仕様が広く変更されていったのは1970年代になってからの事です。
仕様の移行期に発売され、操作にスプール下部のツメを必要としたカメラには、その取り扱い説明書のなかで、使用するフィルムのスプールが製品に対応している事の確認を求めているものがあります。
〈 minolta auto wide 〉が発売された時期には、小型化の難しかった露出計や距離計などを軍艦部に組み込んだ事により、巻き戻し操作を底部から行うようにした製品が他にも見られます。
フィルムの規格や仕様によって、カメラに求められた工夫を見てとる事ができます。
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