〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉は、1955年 に当時の《 千代田光学精工 株式会社 》から発売された35㎜ 判のスチルカメラでです。
両機種は同年度の発売ですが同時発売ではなく、春に発売された〈 Minolta ・A・ 〉の上位モデルとして〈 Minolta ・A-2・ 〉が秋に登場した時系列での展開です。
〈 Minolta ・A-2・ 〉は、[ ファインダー ]と[ シャッター ]の仕様が〈 Minolta ・A・ 〉よりも高いスペックで構成されています。
発売の翌年には『 撮影レンズ 』の口径比が大きいバリエーションも登場しています。
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〈 Minolta ・A-2・ 〉の連動距離計には、〈 Minolta ・A・ 〉には無い〝 パララックス自動補正 〟機能付きの『 採光窓式ブライトフレーム 』が組み込まれています。
このブライトフレーム用の採光窓の有無は、両機種の外観上の大きな違いとなっています。
両機種は発売以降もアップグレードされ、同一機種としてのスペックを固定せずに、製造期間中にも改良を重ねて製造されました。
特に搭載『 シャッター 』は、シャッターメーカーが製品を更新すると、それに合わせてアップデートされています。
性能の違いにつながっているアップデートを並べれば、多くの派生モデルを展開したシリーズにもなり得たバリエーションがありますが、同系統で異名の機種は〈 Minolta ・A・ 〉〈 Minolta ・A-2・ 〉〈 MINOLTA SUPER ・A・ 〉そして、このサイトが紹介する〈 minolta auto wide 〉の4モデルだけとなります。
〈 Minolta ・A・ 〉/〈 Minolta ・A-2・ 〉に用意されているアクセサリーには、両機種で共通のものがありますが、装備の有無で必要性が異なるものや、仕様の違いから共用出来ないものがあります。
製品に付属の取り扱い説明書や、カタログパンフレット、広告誌面で、製造メーカーの《 千代田光学精工 株式会社 》が附属品として紹介している「 純正品 」を中心に、当時のアクセサリー製品を紹介しています。
同系統で同時代の製品である〈 minolta auto wide 〉の附属品として、共通のアクセサリーになっているものもあります。
Lens cap
レンズ キャップ
【 レンズ キャップ 】は、〈 Minolta ・A・ 〉用として発売されたものが〈 Minolta ・A-2・ 〉にも使用できます。
両機種とも鏡筒先端は「 34㎜ 」のネジ枠なっていて、外径は「 36㎜ 」です。
また、〈 minolta auto wide 〉の鏡筒も、先端が同じ規格のネジ枠になっています。
この規格で造られている製品であれば、メーカーを問わずに取り付けて用いることが可能です。
画像左
〈 Minolta ・A・ 〉画像左
〈 Minolta ・A-2・ 〉
〈 Minolta ・A・ 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
〈 Minolta ・A・ 〉の付属品として用意されている【 レンズ キャップ 】は軽金属製で、鏡筒の先端に被せて使うタイプのものです。
正面には『 Minolta 』のロゴが凸状にプレスされています。
Lens hood
レンズ フード
〈 Minolta ・A・ 〉の附属品して用意された【 レンズ フード 】の箱には『 LENS SHADE For Minolta ・A・ 』と記されています。
パッケージの黄色と黒を基調とした配色は、〈 Minolta ・A・ 〉のカメラ本体と同一のものです。
『 Minolta 』の頭文字〝 M 〟を大きく配したデザインは、この当時《 千代田光学精工 株式会社 〉が『 Minolta :ミノルタ 』ブランドの製品に採用していた、共通のパッケージデザインです。
スナップボタンで開閉する皮革製のケースが付属しています。
ケースの側面にはバンドが取り付けられていて、カメラ本体のネックストラップに通して携行する事が出来ます。
『 LENS SHADE For Minolta ・A・ 』
+
〈 Minolta ・A-2・ 〉
〈 Minolta ・A・ 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
〈 Minolta ・A・ 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
【 レンズ フード 】の取り付け方法は、鏡筒先端の「 34㎜ 」規格のネジ枠に取り付ける『 ねじ込み式 』です。
〈 Minolta ・A・ 〉用として発売されたものが、〈 Minolta ・A-2・ 〉と共用のアクセサリーになっていて、その記載が〈 Minolta ・A-2・ 〉の『 使用書 』にあります。
ミノルタ A – 2 用レンズフード
レンズフードは、無用の有害光線がレンズに入るのを防ぎ、すっきりとした写真を作るために必要です。特にシンクロ撮影には絶対に欠くことが出来ません。ミノルタA-2用のレンズフード及びフィルターはミノルタ・A・と共用になっています。
Filter
フィルター
〈 Minolta ・A・ 〉の附属品して用意された【( レンズ )フィルター 】の箱には『 Filter For Minolta ・A・ 』と記されています。
黄色と黒を基調としたパッケージデザインは、【 レンズ フード 】と同様にカメラ本体のものと同じです。
取り付けの規格は「 34㎜ 」径の「 ねじ込み式 」で、鏡筒と同じ仕上げで造られています。
コインのエッジ状に加工された先端部分がアクセントになっています。
外周にはフィルター機能の種別表記と併せて、『 Minolta 』のブランド銘が記されています。
〈 Minolta ・A・ 〉
『 Filter For Minolta .A.( Y48 )』
〈 Minolta ・A・ 〉
「 ROKKOR 45㎜ f3.5 」搭載
〈 Minolta ・A-2・ ( LT ) 〉
「 ROKKOR 45㎜ f2.8 」装着
『 Filter For Minolta .A.( UV)』
『 Filter For Minolta .A.( Y48 )』
〈 Minolta ・A・ 〉
「 ROKKOR 45㎜ f3.5 」搭載
〈 Minolta ・A-2・ ( LT ) 〉
「 ROKKOR 45㎜ f2.8 」装着
『 Filter For Minolta ・A・ 』は、【 レンズ フード 】と同様に〈 Minolta ・A・ 〉/〈 Minolta ・A-2・ 〉の共通アクセサリーになっています。
〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉が搭載する焦点距離「 45㎜ 」の撮影レンズには、口径比が[ 1:3.5 ]と[ 1:2.8 ]のタイプがありますが、鏡筒先端の枠は同じ規格の「 34㎜ 」径の「 ねじ込み式 」です。
〈 Minolta ・A-2・ (LT) 〉
【 フィルター 】+【 レンズ フード 】
フィルターの先端側は、取り付け側と同じ規格のネジ枠になっています。
同じネジ規格の『 LENS SHADE For Minolta ・A・ 』と『 Filter For Minolta ・A・ 』を併用する事が出来ます。
〈 Minolta ・A・ 〉,〈 Minolta ・A-2・ 〉それぞれの『 使用書 』に、各種フィルターの効果についての説明があります。
ミノルタフイルターについて
フィルターは、皆様の写真を一層よくするために使用するもので、大体次の用途別に使います。UV フイルター
紫外線だけを吸収する特性がありますので遠景のかすむのを防ぎスッキリと美しいネガを作ります。又カラー撮影では画面が青みがかるのを防ぎます。黄色(Y)系 フイルター
空のある風景、特に雲を主題とする場合とか、海岸、雪景、その他強烈な直射光を受けた被写体にぜひ必要です。橙色(O)系 フイルター
山岳写真、海のある風景、遠景等の撮影、又は色彩の豊かな被写体の撮影に使用し、コントラストがよくつきますのでコントラストフイルターとも言います。赤色(R)系 フイルター
遠景の写真(風景写真、山岳写真)に使用します。赤外写真フイルターともいわれ、赤外線フイルムに使用すれば空は黒く落ち、緑の木々は白色になり、あたかも月光下の写真のようになり、かつ遠景が克明に描写されて一般フイルムに得られない効果が生じます。緑色(G)系 フイルター
一般風景には例えば雲が明瞭になり、新緑の風景には青葉が映え、又人物撮影にも好結果が得られます。
Auto Up
オート アップ
【 Auto Up : オート アップ 】は、距離計連動カメラに取り付けて近接撮影が行えるアクセサリーです。
撮影レンズの先端に取り付ける「 クローズアップ レンズ 」と、距離計窓の前面に配置する窓型の拡大レンズとがセットになっています。
窓型の拡大レンズは、「 クローズアップ レンズ 」を使用した焦点深度が浅くなる近接撮影の際にも、レンジファインダーによる正確な焦点合わせを可能にするものです。
様々な機種向けの製品がある【 オート アップ 】ですが、その多くは撮影レンズの先端に取り付ける「 クローズアップ レンズ 」と「 距離計窓用の拡大レンズ 」が一体になったものです。
〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉用の製品は、それぞれが別々のアタッチメントになっています。
両機種の焦点合わせが、撮影レンズの「 全群回転式 」である事が〝 一体 〟になっていない理由です。
撮影レンズに取り付ける「 クローズアップ レンズ 」は【 フィルター 】と同様に、鏡筒先端の「 34㎜ 」径のネジ枠に取り付けるようになっています。
被せ式ではない理由は、両機種では鏡筒先端のフィルター枠が『 絞りリング 』になっていて回転操作を行う事と、枠の側面に絞り値の指標の ● マークが付けられている事によります。
「 クローズアップ レンズ 」の先端も「 34㎜ 」径のネジ枠になっていて、【 フィルター 】を重ねて取り付けて用いる事が出来ます。
〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉とではトップカバー上のアクセサリーシューの位置が異なり、「 距離計窓用の拡大レンズ 」を取り付けるアタッチメントを共用する事が出来ません。
このため、それぞれの専用品が製造されています。
〈 Minolta ・A・ 〉
〈 Minolta ・A・ 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
【 オート アップ 】には、Ⅰ( 号 )と Ⅱ( 号 )があります。 Ⅰ( 号 )が [ 1 ㍍ 〜 50 ㌢ ]、Ⅱ( 号 )は [ 50 ㌢ 〜 30 ㌢ ]の近接撮影に対応しています。 Ⅱ( 号 )の〈 Minolta ・A-2・ 〉用のオートアップは、距離計窓の前面に配置する角型の拡大レンズ部分に、黒色のプレートが取り付けられています。 その下にある「 SUPER NOOKY 」という表記は、〝 NOOKY 〟という呼称によってライカタイプのカメラに対応する近接撮影アタッチメントである事を、想起させるものとして用いたものだと想像できます。 『 PLEASANT 』ブランドの『 Auto – Up 』は、多機種に専用の商品が発売されています。 下の画像はその一つ『 RICOH 35 』用の製品で、カラーとサイズは違いますが〈 Minolta ・A・ 〉用【 オート アップ 】と同じ表記がされた同一のパッケージです。 『 RICOH 35 』用【 オート アップ 】の説明書は、カメラメーカー各社の製品向けに用品メーカーが製造販売した附属品としての体裁のもので、製品ラインナップ全体に対応する内容が記されています。 説明書は両面に印刷されていて、それぞれは日本語版と英語版になっています。 マミヤ光機 株式会社 元技師 , … , … 島田 貫一郎 氏 発明 Invented by Designed by 〈 Minolta ・A・ 〉用【 オート アップ 】の説明書は、『 ミノルタ ・A・ 用オートアップレンズの使用方 』という表題のもので『 Auto – Up 』を取り付けた〈 Minolta ・A・ 〉のイラストが描かれています。 〈 Minolta ・A・ 〉用 〈 Minolta ・A-2・ 〉用 画像の〈 Minolta ・A-2・ 〉用『 Auto – up 』の箱には『 PLEASANT 』ブランドの表記はなく、その製品名は『 MINOLTA Auto-up For Minolta ・A-2・ 』となっています。 製造期間中に幾度かのアップデートがあった〈 Minolta ・A-2・ 〉には、取り扱い説明書にもいくつかの版があります。 〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉は、『 シャッター 』と『 撮影レンズ 』とがアップデートされる事で、モデルチェンジというかたちではない製品スペックの更新が行われています。 機種名にはバリエーションの区別がなく、性能諸元が様々に異なる同名のモデルが次々と登場して、製品ラインナップが更新されています。 実際にはカタログ等で、「 Minolta ・A・ C 」「 Minolta ・A・ CS 」「 Minolta ・A-2・ L 」など、バリエーションを識別するアルファベット記号が付けられた便宜上の機種名が扱われています。 〈 Minolta ・A-2・ 〉には『 LT 』というアルファベット記号が付けられているバリエーションモデルがあります。 〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉はレンズシャッターをビハインド式で搭載していて、絞りを含むレンズ全群が一体となったユニットが、本体のヘリコイドにねじ込まれています。 望遠レンズは距離計と連動する仕組みを持った専用品で、望遠レンズとレンジファインダーは無限遠から最短撮影距離まで完全に連動します。 専用の「 TELLE ROKKOR 100mm f4.8 」には、本体のヘリコイド操作によって繰り出せる仕組みのヘリコイド構造があります。 専用レンズのパッケージには『 ミノルタ・A-2・専用 望遠レンズ 距離計連動 TELE ROKKOR 100m/m f4.8 』とあります。 〈 Minolta ・A-2・ LT 〉は、専用の望遠レンズを距離計に連動させるためのアームが取り付けられた〈 Minolta ・A-2・ 〉を呼称したバリエーションモデルです。 実際に、専用の望遠レンズを使用するために必要な改修が、アフターサービスとして提供されました。 の 発売された当初の仕様では、〈 Minolta ・A・ 〉には【 セルフ タイマー 】が内蔵されていません。 〈 Minolta ・A・ 〉がセルフタイマーを装備する製品になるのは、シャッターが更新されて「 CHIYODA KOGAKU 」から「 CITIZEN 」銘のシャッターを搭載したモデルが登場してからです。 搭載シャッターが違う2台の〈 Minolta ・A・ 〉 しかし後に、シャッター速度の高速化と[ M – X ]接点の切り替えに対応した「 CITIZEN MX 」シャッターへの更新ではセルフタイマーの装備が無くなります。 上位モデルの〈 Minolta ・A-2・ 〉は、発売当初からセルフタイマーを装備した製品として登場し、シャッターの更新に際してもセルフタイマーが装備されていないモデルは製造されていません。 【 セルフ タイマー 】の装備が無い「 CITIZEN MX 」シャッターを搭載した製品のマニュアルには、附属品として『 ミノルタ セルフタイマー 』の記載があります。 名称が合致する製品が手元になく、マニュアルに附属品の姿が載っていないので実際の形態が判りませんが、下の画像の製品はケースに『 Self ー Timer For Minolta Camera 』と記され、取り扱い説明書に《 千代田光学精工 株式会社 》の記載があるセルフタイマーです。 スポンサーリンク ケースに『 Self ー Timer For Minolta Camera 』とある画像の左側の「 セルフタイマー 」は、背面に『 Konan 』というブランド銘があります。 ミノルタフレックスⅢ型用 取り扱い説明書に記載の会社名は、旧字体で表記された《 千代田光学精工 株式会社 》となっています。 『 Konan:コーナン 』は、《 株式会社 甲南カメラ研究所 》の『 甲南 』からの名称であると考えられます。 この様な協力関係により、『 Konan 』ブランドの製品が《 千代田光学精工 株式会社 》から自社製品用のアクセサリー商品として販売されたのだと考えられます。 対応機種名の〈 ミノルタフレックスⅢ型 〉と〈 ミノルタコード 〉は、《 千代田光学精工 株式会社 》が製造する120規格フィルム使用の6x6判の二眼レフカメラで、〈 Minolta ・A・ 〉が発売された時期に販売されていた製品です。 《 千代田光学精工 株式会社 》の二眼レフカメラ製品では、〈 Minolta ・A・ 〉と同じ1955年発売で「 CITIZEN MXV 」シャッターを搭載した〈 ミノルタオートコード 〉以降の全機種に、「 セルフタイマー 」が装備れるようになります。 セミ判のスプリングカメラは〈 Minolta ・A・ 〉が発売された時までに製造を終えていて、以降の機種でアクセサリーとしての【 セルフ タイマー 】を必要とした製品は見あたりません。 この事からすると、〈 Minolta ・A・ 〉用の新たなセルフタイマーが製造されたとも考え難く、画像の〈 ミノルタフレックスⅢ型 〉,〈 ミノルタコード 〉用の〈 ” Konan ” セルフタイマー 〉そのものか、それに近い製品が『 使用書 』の『 ミノルタ セルフタイマー 』であったのかもしれません。 〈 ” Konan ” セルフタイマー 〉は、取り付け部分の軸が曲線を描いています。 《 株式会社 ワルツ商会 》は当時あったカメラ関連の用品メーカーで、各種の汎用品に加えて自社ブランドでカメラ本体の製造も手掛けています。 〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉の撮影設定に露出計を用いる場合、カメラとは別の機器を用意する事になります。 カメラ本体に取り付けられるアクセサリーとしては、〝 クリップオン 〟式の露出計があります。 《 千代田光学精工 株式会社 》からは、1957年発売の〈 MINOLTA SUPER ・A・ 〉の専用品『 Minolta – meter 』以外には、このタイプの製品は発売されていません。 『 Minolta – meter 』 『 Minolta meter 』を取り付けた〈 MINOLTA SUPER ・A・ 〉 『 Minolta – meter 』は、〈 MINOLTA SUPER ・A・ 〉のトップカバー上にあるシャッター速度ダイヤルと機械的に連動するギアを備えた専用品で、シャッター速度の設定に絞り値の表示を対応させた〝 半連動 〟の機能を持つ露出計です。 ギアとの連動ができない他機種で用いようとした場合、正面のダイヤルを操作して表示させた任意のシャッター速度での絞り値を読み取って、カメラ本体を設定するという使用が可能です。 しかし、〈 Minolta ・A・ 〉に用いようとすると底面がトップカバーと干渉し、〈 Minolta ・A-2・ 〉ではギアがアクセサリーシューのダボと干渉して取り付ける事が出来ません。 カメラメーカーが自社ブランドの純正アクセサリーとして販売した汎用性のある製品もありますが、アクセサリーシューに取り付けられる〝 クリップオン 〟式の単体露出計が、露出計メーカから多く発売されています。 下の画像は『 Minolta – meter 』を製造したメーカー《 成光電気工業 株式会社 》が1955年3月に自社ブランド「 SEKONIC : セコニック 」の製品として発売した製品。 1955年3月発売 〈 LC-1 〉のシューを最も右手側の位置で取り付け 〈 LC-1 〉のシューを最も右手側の位置で取り付け 次の画像は【 セルフ タイマー 】で紹介した《 株式会社 ワルツ商会 》が製造販売した『 Waltz 』ブランドの製品です。 〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉のアクセサリーとして、取り扱い説明書やカタログに記載されている【 フラッシュ 】製品が『 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 』です。 製品に『 Minolta / ミノルタ 』ブランドの表記がある、純正アクセサリーとして発売された「 フラッシュガン 」です。 背面のダイヤルは、撮影に用いる「 フィルム 」,「 閃光電球 」の製品名と、被写体の距離に応じた絞りとシャッタースピードの目安とが記された計算盤になっています。 電源はキャパシターと22.5V積層乾電池を組み合わせるか、単三型普通乾電池2ケを組み込むかの何れかで使用する事が出来ます。 の 計算盤に記された『 ウエスト 』は、「 閃光電球:フラッシュ バルブ 」のメーカー《 ウエスト電気 株式会社 》の製品ブランドです。 『 ウエスト 』は、1950年代の初め頃から閃光電球の製造販売をしていた当時の《 ウエスト電気 株式会社 》の商標名で、この自社ブランドで[ フラッシュガン ]も商品展開していました。 1950年代の半ば頃にはカメラ関連の用品メーカーが多くあり、「 フラッシュガン 」にも多くの商品があります。 計算盤に『 ウエスト 』製品が載っていて、また『 WEST 』と記されたシンクロコードが製品に付いている事から、《 千代田光学精工 株式会社 》がメーカー純正の附属商品として販売した『 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 』は、その製造元が《 ウエスト電気 株式会社 》の OEM( Original equipment manufacturing : 相手先商標生産 )製品だったと考えられますが、確かではありません。 《 ウエスト電気 株式会社 》が製造販売した「 フラッシュガン 」製品のラインナップは多様で、閃光電球を主力商品としたメーカーらしく、入門機向けからプロユースまでの幅広いユーザーをターゲットにした製品があります。 〈 Minolta ・A・ 〉 製品本体にはモデル名や型番などは記されていませんが、取扱い説明書に商品名〈 ウエスト マスコットガン 〉の表記があります。 〈 ウエスト マスコットガン 〉は、「 ピンベース( スワンベース )」のフラッシュバルブを使用するフラッシュガンで、電源には単二型普通乾電池1ケを用います。 〈 WEST HYPER B II : ウエスト ハイパーBⅡ 〉は、弧を描く条線が刻まれたナタ型の羽根を展開するアンブレラが特徴的なフラッシュガンです。 美しいアンブレラを持つこの製品は、ベースレスの〝 ミゼット型 〟フラッシュバルブ用のアダプターを本体に格納している事でも特筆されます。 パッケージに貼られた製品ラベルはエンブレムのようにデザインされ、ブランド銘の『 WEST 』に『 MIRACLE POWER 』のタイトル文字が付けられています。 〈 WEST B.C.B – S 〉は、ブラケット仕様の大型フラッシュガン。 当時数多くあった用品メーカーの製品の一つで、【 セルフタイマー 】と【 〝 クリップオン 〟メーター 】を紹介した《 株式会社 ワルツ商会 》の『 Waltz 』ブランドの「 フラッシュガン 」 〈 Waltz JX GUN 〉 〈 Minolta ・A・ 〉 〈 Minolta ・A・ 〉に『 M接点 』と『 X接点 』の切り替えレバーが設けられたのは、搭載シャッターに「 CITIZEN MX 」が採用されてからです。 「 CITIZEN MXV 」を搭載シャッターとして登場した〈 Minolta ・A-2・ 〉は、発売当初のスペックから『 M接点 』に対応していて、[ 閃光電球 / フラッシュバルブ ]と[ エレクトロニック・フラッシュ ]の両方で、全シャッター速度のフラッシュシンクロに対応しています。 [ エレクトロニック・フラッシュ ]への対応は、主にアメリカ市場向けに求められた仕様で、日本国内では大衆機向けの製品は出始めたばかりの頃です。 「 OPTIPRE MXS 」搭載 〈 Kako Elite 〉は、蓄電池を内蔵電源にした「 エレクトロニック・フラッシュ 」 仕様書には、画像のように『 充電器 』に接続した状態であれば、充電しながらの撮影も可能だとあります。 搭載バッテリーは『 ニッカド電池( ニッケルカドミウム型蓄電池 )』で、仕様書には《 ドイツ・デアック社製 》とあり、従来品の『 鉛型蓄電池 』からの性能アップがアピールされています。 仕様書には〈 Elite:エリート 〉の価格がユニット別に記載されていて、商品価格に占める蓄電池の割合が大きい事が判ります。 ストロボ 本体 ・・・・・・・・・・・・・・・ ¥ 6,000 コインスクリューで取り付けられている「 シューアタッチメント 」を取り外すと三脚ネジが現れます。 カメラ本体のケースは、別売のアクセサリーとしてではなく、〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉の製品本体に同梱されていたようです。 【 ケース 】に付いているスラップは、左右の吊り金具にリベットで留められていて取り外しは出来ません。 【 ケース 】は2つの部分で出来ています。 【 ケース 】をジャケットさせた状態で、カメラ本体の底部ある「 フィルムカウンター 」の確認が出来るように、表示窓の形に合わせた扇型の開口部が設けられています。 【 ケース 】の上部には、左右のストラップ吊り金具の間を渡すブリッジのような装飾があります。 オートワイド12 スポンサーリンク スポンサーリンク〈 Minolta ・A・ 〉
「 AUTO – UP ( Ⅰ ) 」
〈 Minolta ・A-2・ 〉
「 AUTO – UP ( Ⅱ ) 」
画像で紹介している製品は、〈 Minolta ・A・ 〉用が Ⅰ で〈 Minolta ・A-2・ 〉用が Ⅱ です。
このプレートは、Ⅰ よりもさらに近接撮影に対応する Ⅱ の視差を匡正する枠です。
画像で紹介している〈 Minolta ・A・ 〉用【 オート アップ 】の箱には、『 PLEASANT 』というブランド銘と装飾文字でロゴにした〝 Auto – Up 〟とが記されています。
「1M – 50cm 」は撮影距離の表示で、「 40” – 20” 」はインチ( inch )表示での併記です。
FOR RICOH 35
FOR RICOH 35
For Minolta ・A・
アルファベットのPとSを組み合わせて意匠化された『 PLEASANT 』ブランドと、製品名『 Auto – Up 』のロゴマークとが見出しの中央に大きくレイアウトされています。
その左側には、開発者の人物名が記されています。
東京大学 教授 理学博士 小穴 純 先生 設計
Mr. K.SHIMADA
Former Technician of
Mamiya-Koki Camera Works
Dr. Z.KOANA
Professor of Tokyo University
末尾に《 千代田光学精工 株式会社 》の社名が入った書面になっていて、自社製品の専用附属品として販売している事が示されたものになっています。
『 Auto – Up(Ⅰ)』
『 Auto – up(Ⅱ)』
パッケージのデザインも、『 Minolta :ミノルタ 』ブランドの頭文字〝 M 〟を大きく配した《 千代田光学精工 株式会社 》のものです。
専用アクセサリーの紹介ページに【 オート アップ 】がある版には、画像の『 ミノルタオートアップ 』が載っています。TELE ROKKOR 100 m/m f4.8
ミノルタ·A-2·専用 望遠レンズ
このよう名称は、製品そのものには記されていないものです。
この記号も製品そのものには記されていませんが、製品パッケージには〈 Minolta ・A-2・ LT 〉という機種名が表示されていて、他のバリエーションとは異なる例外的な扱われ方をしています。〈 Minolta ・A-2・ LT 〉の 箱
〈 Minolta ・A・ 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
〈 Minolta ・A-2・ LT 〉
〈 Minolta ・A-2・ LT 〉では、この構造をねじ込み式のレンズマウントのように利用して、レンズ交換を行います。
本体側のヘリコイドを回転させる動きが、レンズ側にあるレールと本体側にあるアームの働きにより、望遠レンズのヘリコイドを機能させるようになっています。
パッケージにカタカナと漢字が使用されているのも、他の製品と異なっていて目を引きます。
その他には、ファインダーに望遠レンズ用の視野枠が追加されています。〈 Minolta ・A-2・ LT 〉
と
「 TELE ROKKOR 100㎜ f4.8 」
については– コラム –
項でも紹介していますSelf timer
セルフ タイマー
・ シャッターの最高速度 1/300(秒)
・【 セルフ タイマー 】の装備が有る( エプロン下部の右手側にセットレバーがあります )
・ シャッターの最高速度 1/200(秒)
・【 セルフ タイマー 】の装備が無い
そして再び〈 Minolta ・A・ 〉にセルフタイマーが装備されるのは、「 CITIZEN MV 」シャッターに更新されてからになります。ミノルタ セルフタイマー
自分も入りたい記念撮影には、セルフタイマーを御利用下さい。ミノルタ セルフタイマーはストロークの長さを調節すれば他のカメラにも使用出来ます。
その取り扱い説明書にある商品名は次のように記されています。
ミノルタコード(セイコー)用
” Konan ” セルフタイマー
同社が開発した16㎜フィルム使用の小型カメラ〈 Konan 16:コーナン16 〉の製造には、当時の《 千代田光学精工 株式会社 》の協力があった事が知られています。
後に同製品を専用カートリッジで規格化した製品が《 千代田光学精工 株式会社 》により企画され、〈 MINOLTA 16 〉シリーズとして製品展開されています。
また、1951年発売で同社の120規格フィルム使用のセミ判スプリングカメラの最終モデルとなった〈 Minolta semi P 〉の搭載シャッターは、「 KONAN – FLICKER 」という銘です。
両社間に相互の協力関係があった事が窺えます。
また、同社の135規格フィルム使用のフォーカルプレーン式35㎜判カメラ〈 Minolta 35 〉シリーズの製品にはセルフタイマーが搭載されていて、アクセサリーとしての【 セルフ タイマー 】を必要としていません。
このカーブは、〈 ミノルタフレックスⅢ型 〉,〈 ミノルタコード 〉のレリーズソケットに取り付け取り付ける際に、本体と干渉してしまう事を避けるための形状です。
もしかすると『 使用書 』の『 ミノルタ セルフタイマー 』は、画像の奥に撮した同時期の他社製品のような、取り付け部分がストレートなものだったのかも知れません。
画像の他社製品は、《 株式会社 ワルツ商会 》が製造販売した『 Waltz 』ブランドの「 セルフタイマー 」です。【 セルフ タイマー 】を装備していない右側のモデルに『 Self ー Timer For Minolta Camera 』〈 ” Konan ” セルフタイマー 〉を取り付けたところ。
Clip-on
Exposure meter
クリップオン メーター
SEKONIC〈 オネストLC-1 〉
カメラの吊り紐に通して用いるベルトループが側面に取り付けてあり、実際にも〝 クリップオン 〟式のアクセサリーとして携行して無理のないサイズ感です。〈 Minolta ・A・ 〉
+
〈 オネストLC-1 〉〈 Minolta ・A-2・ 〉
+
〈 オネストLC-1 〉《 株式会社 ワルツ商会 》の自社ブランド『 Waltz 』の【 セルフ タイマー 】と【〝 クリップオン 〟メーター 】
【〝クリップオン〟メーター 】は「 アクセサリーシュー 」に取り付けます。
〈 Minolta ・A-2・ (LT) 〉
【 ミノルタ フィルター 】+【 ミノルタ レンズ フード 】
と
『 Waltz 』ブランドの
【 セルフ タイマー 】と【〝クリップオン〟メーター 】Flash
フラッシュ折りたたまれた〝 アンブレラ 〟の『 ← 』マークが付いたタブをその方向へ扇のように拡げて円状に展開し、『 Minolta 』ロゴのタブがある始点の一枚に、クリップを引っ掛けて固定します。
「 CITIZEN MX 」搭載
と
『 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 』ソケットは〝 ピンベース 〟の「 閃光電球 / フラッシュバルブ 」に対応
長さが単三型乾電池と同じで、使用上のサイズ互換があります。
単三型乾電池とほぼ同じ直径で、長さは僅かに短いものの、接点のバネで押さえが効いた電池室では単三型と互換性のあるサイズです。
使用する電源をどちらにするかによって、フラッシュガンに接続するシンクロコードのプラグを差し込む際の、ソケット穴の位置が異なります。
シンクロコードのプラグを差し込むソケット穴は本体側面に3つあり、2極の一方を差し込むソケット穴を変えます。『 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 』
については– アクセサリー –
項で紹介しています
1956年の《 松下電器産業 株式会社 》との業務提携により、この『 WEST : ウエスト 』ブランドでの積極的な販売活動が行われたことが当時の雑誌広告に見られます。
同社が[ エレクトロニックフラッシュ ( スピードライト / ストロボ )]の製造を開始した1960年頃になると、《 松下電器産業 株式会社 》の商標、『 NATIONAL : ナショナル 』ブランドの商品展開と統合されるようにして、『 WEST:ウエスト 』ブランドが商品に用いられなくなっています。
その中でも閃光電球を製造する《 ウエスト電気 株式会社 》はフラッシュ製品の主要なメーカーとして数えられます。『 WEST : ウエスト 』ブランドの「 フラッシュガン 」
〈 ウエスト マスコットガン 〉
「 CITIZEN MX 」搭載
と
〈 ウエスト マスコットガン 〉
少ない部品で構成された入門モデルで、モナカのように電池に挟み込むだけの本体に電極が通され、反射板は湾曲させた軽金属の板を背面から差し込むだけのものです。〈 WEST HYPER B II :ウエスト ハイパーBII 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
「 OPTIPER MVL 」搭載
と
〈 WEST HYPER B II 〉
ソケットは、「 ピンベース( スワンベース )」のフラッシュバルブに対応する差込み式です。
アダプターは非常に薄く作られていて、本体正面のバッテリー室の蓋にバヨネット式で嵌め込まれ、正面からはアンブレラの羽根に隠れて見えない状態です。
アダプターにはバヨネットの取り付け指標となる赤色の▲マークと⚫︎マークが印されています。
本体のソケット部分にもアダプター用のバヨネット構造があり、取り付けの正位置を示す⚫︎マークが印されています。〈 WEST B.C.B – S :ウエスト B.C.B-S 強力発光器 〉
〈 Minolta ・A-2・ LT 〉
「 CITIZEN MVL 」搭載
「 TELE ROKKOR 100㎜ f4.8 」装着
と
〈 WEST B.C.B – S 〉
仕様書のタイトルには『 ウエスト B.C.B-S 強力発光器・・・・の使い方 』とあり、併記された英字タイトルは『 WEST B.C.B-S MIRACLE POWER FLASH GUM 」となっています。
内蔵電源は、単一型のキャパシター( 仕様書ではパワーユニットと呼称 )と単一型22.5V積層乾電池1ケの組み合わせ、またはエクステンダーで電池室を伸長して単一型普通乾電池3ケを組み込んで用います。『 Waltz : ワルツ 』ブランドの「 フラッシュガン 」
〈 Waltz JX GUN 〉
電源は、22.5V積層乾電池1ケとキャパシターの組み合わせ、または単三型普通乾電池2ケを組み込んで用います。
「 CITIZEN MV 」搭載
と
〈 Waltz JX GUN 〉
発売当初の仕様では、フラッシュシンクロは『 X接点 』のみで[ エレクトロニック・フラッシュ( スピードライト / ストロボ ) ]か、シャッター速度1/50(s) までの使用条件で[ 閃光電球 / フラッシュバルブ ]に対応する仕様でした。
〈 Minolta ・A・ 〉/〈 Minolta ・A-2・ 〉が発売された当時は、『 ミノルタ 』ブランドの[ エレクトロニック・フラッシュ ]は未だ販売されていませんが、国内メーカーでは《 株式会社 カコ 》の製品が他社に先行しています。
発売当時の製品に用いられた呼称は「 エレクトリック フラッシュガン ]となっています。
また、販売会社の名称は《 カコストロボ 株式会社 》で、製品には[ ストロボ ]という呼称も使用されています。〈 Kakonet:カコネット 〉
「 CITIZEN MX 」搭載
と
〈 kakonet 〉 〈 Minolta ・A・ 〉「 アクセサリーシュー 」に取り付けた[ エレクトロニック・フラッシュ ]は、単3乾電池4本での使用が出来る《 株式会社 カコ 》の製品〈 kakonet 〉
〈 Kako Elite:カコ エリート 〉
〈 Minolta ・A-2・ 〉
と
〈 kako Elite 〉画像の右奥にあるユニットは『 充電器 』
フル充電までの所要時間は14時間で、発光回数は約60回であると記載しています。
( シュークリップ、ACコード、ブラケット付 )
電 池( ニッケル カドミウム型 )・・・・・・¥ 5,000
充 電 器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・¥ 2,500
ソフトケース ・・・・・・・・・・・・・・・¥ 1,200
一揃合計 ¥14,700〈 Minolta・A-2・〉
+
ブラケットに取り付けた〈 Kako Elite 〉Case
ケース
【 ケース 】は茶色の皮革製で、両機種で共用の同じものになっています。
バックルで調節が可能ですがその長さは短く、そのまま左右を繋げるとキャリーストラップして使用する長さです。
ショルダーストラップの長さにするには、別に用意されているストラップを繋げて使用します。
一方は、底部の取り付けネジをカメラ本体の三脚用ネジ穴にねじ込んでカメラ本体に固定し、底側からジャケットさせる部分。
もう一方は、底側の部分にスナップボタンで取り付けて、本体正面の撮影レンズからトップカバーまでをカバーする部分です。
ボルドーカラーのベルベット生地のテープを軽金属の部材に貼り付けた帯状の装飾が、ケース上部の形状に沿ったカーブを描いて取り付けられています。