1958年発売の〈 minolta auto wide 〉は、《 千代田光学精工 株式会社 》が1955年に発売した35㎜フィルム使用のレンズシャッター機〈 Minolta ・A・ 〉から発展した機構をもつ同系統の製品です。
レンズシャッターを反転型のビハインド方式で組み込んだ〈 Minolta ・A・ 〉は、短い鏡筒と相対的に厚みがある本体をもち、そのトップカバー上に設けられたシャッター速度ダイヤルでの操作が特徴的な製品です。
〈 minolta auto wide 〉はビハインド方式ではありませんが、レンズシャッターが反転型で組み込まれていて操作ダイヤルが本体にある構造は〈 Minolta ・A・ 〉と同じです。
〈 Minolta ・A・ 〉の発売から〈 minolta auto wide 〉が登場するまでの約3年間は、レンズシャッターの標準仕様に大きな変革があった期間と重なります。
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この間に製造された〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉には、シャッターメーカーの製品更新に合わせて搭載シャッターをアップデートして仕様を変更した、いくつかの製品バリエーションがあります。
〈 Minolta ・A-2・ 〉は、採光窓式のブライトフレームをはじめとした各所の仕様が異なる〈 Minolta ・A・ 〉のアップグレードモデルです。
1957年には、〈 Minolta ・A-2・ 〉の搭載シャッターは「 CITIZEN MVL 」に変更されています。
「 CITIZEN MVL 」の搭載により、等間隔の目盛りを持つ『 ライトバリュー式 』倍数系列のシャッター速度設定となり、シャッターダイヤルと絞りリングにはライトバリューの換算値が併記されます。
そして、「 X接点 」と「 M接点 」の『 シャッターシンクロ 』、その両方のシンクロ接点で使用可能な『 セルフタイマー 』とを装備した、フラッシュ撮影での完全な同調性能が実現されています。
1958年発売の〈 minolta auto wide 〉は、この「 CITIZEN MVL 」を搭載することによって、ライトバリュー式の撮影設定による内蔵露出計との完全連動を実現しています。
「 CITIZEN MVL 」はその後ロングセラーになるレンズシャッターで、《 千代田工学精工 株式会社 》の製品では、同社が《 ミノルタカメラ 株式会社 》に商号変更した翌年の1963年に発売している〈 minolta AL-2 〉にまで採用されています。
ここでは、〈 minolta auto wide 〉が発売された当時からのフラッシュ製品を、純正アクセサリーとして《 千代田光学精工 株式会社 》が販売したものを中心に、他メーカーの製品と併せていくつか紹介していきます。
〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉
〈 minolta auto wide 〉
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〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉
〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉は、1955年に発売された〈 Minolta ・A・ 〉向けのアクセサリーとして用意され、当時の製品カタログではカメラ製品共通の附属品として価格表に記載されています。
- 画像の製品カタログには〈 ミノルタ35II 〉と〈 ミノルタオートコード , 〃 L型 〉そして〈 ミノルタ A , 〃 A2 〉がラインナップされ、メーカー純正の各種アクセサリーが『 附属品価格表 』に載っています。
の項で紹介しています 背面にある計算盤をスライドして表示外にまで反転させると、〈 ミノルタ ガン ジュニアー B.C 〉と記された製品名が現れます。 計算盤には、ガイドナンバーとフィルム感度の代わりに製品名が表記されています。 『 シャッタースピード 1/50マデ 』という表示は、発売当初の〈 Minolta ・A・ 〉は「 X接点 」だけのレンズシャッター機であり、またフォーカルプレーンシャッター機の〈 Minolta 35 〉との共通アクセサリーでもあった事が、その理由になっていると考えられます。 電源には、キャパシターと22.5V積層乾電池1ケの組み合わせ、または単三型普通乾電池2ケで使用する事が出来ます。 側面にあるソケット穴は下側が2個あり、普通乾電池を使用する場合はプラグを斜めに差し込みます。 アンブレラは13枚の羽根を展開して拡げます。 本体のソケットは、ピンベースのフラッシュバルブに対応する差し込み式です。 ピンベース用のソケットに取り付けて、他の規格のフラッシュバルブを使用するための『 ソケット変換アダプター 』が各種あります。〈 Minolta ・A・ 〉と〈 Minolta ・A-2・ 〉
の
附属品については– コラム –
フィルムは国内外の代表的な3社の製品を表記していますが、フラッシュバルブは『 ウエストバルブ 』とだけ表記しており、本体に付属していたと思われる画像のシンクロコードには『 WEST 』とあります。
〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉の製造元が《 ウエスト電気 株式会社 》であった事を窺わせます。
FEET( フィート )表記の距離指標は、主な製品市場であったアメリカ向けの目盛りをそのまま印しているものだと思われます。
長さが単三型乾電池と同じで、使用上のサイズ互換があります。
単三型乾電池とほぼ同じ直径で、長さは僅かに短いものの、接点のバネで押さえが効いた電池室では単三型と互換性のあるサイズです。
どちらの電源を使用するかによって、シンクロコードのプラグを差し込むソケットの位置が異なります。
電池室の底に、22.5V積層乾電池とキャパシターの組み込み方とプラグの差し込み位置を説明するラベルが付けられています。
天井(フタの裏側)に貼られたラベルには、単三型普通乾電池2ケを使用する場合の組み込み方とプラグの位置が説明されています。
重ねられた上の1枚目に展開方向の矢印『 ← 』が記されたタブがあり、最下段の13枚目には『 Minolta 』のブランド銘が赤い墨入れ文字で記されたタブが付いています。
他のベース規格のフラッシュバルブは、ソケット変換アダプターを用いて取り付ける事が出来ます。
画像で取り付けているソケット変換アダプターは、ベースレスの『 ミゼット球 』のフラッシュバルブ用です。
画像のソケットアダプターは左側から「 ミゼット球 」「 AG球 」「 M2ベース球 」用で、各規格のフラッシュバルブをピンベース( スワンベース )に変換するアタッチメントになっています。
『 ソケット変換アダプター 』に取り付けたフラッシュバルブの排出は、アダプターそのものに付いているエジェクターを使用します。
アダプターのソケットに差しこまれた〝 ヘラ 〟のようなものがエジェクターです。
どの規格にも同じ様なものが付いていますが、「 M2ベース球 」と「 AG球 」用ではクリップになっているソケットを開くように扱い、「 ミゼット球 」用はテコのようにして押し出します。
〈 minolta auto wide 〉 画像のフラッシュガンは《 ウエスト電気 株式会社 》の『 WEST : ウエスト 』ブランドの製品〈 WEST HYPER B 〉です。 ウ エ ス ト 電気株式会社 製造 画像の左下に写っているシルバー色の部品はフラッシュガンのソケットに取り付けて用いる『 ソケット変換アダプター 』です。 WEST HYPER B
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〈 WEST HYPER B 〉
箱の側面と取り扱い説明書の裏面に、《 ウエスト電気 株式会社 》が《 松下電器産業 株式会社 》との業務提携による製品販売を行なっている事を示す表記があります。
取両社の提携は1956年に結ばれている事から、〈 WEST HYPER B 〉がそれ以降の製品だと判ります。
総発売元 松下電器産業株式会社
「 ピンベース 」のフラッシュバルブを用いる仕様の〈 WEST HYPER B 〉本体のソケットを、「 ミゼット球 」を使用するソケットに変換します。
『 ソケット変換アダプター 』は「 ウエスト 閃光電球 」と刻印されたフォーク状の部品と組み合わされたものです。
発光済みフラッシュバルブの排出は、このフォーク状の部品をテコとして用います。
WEST HYPER B II
〈 minolta auto wide 〉
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〈 WEST HYPER B II 〉
画像のフラッシュガンは《 ウエスト電気 株式会社 》の『 WEST : ウエスト 』ブランドの製品〈 WEST HYPER B II 〉です。
この製品には『 ソケット変換アダプター 』が格納されています。
『 アダプター 』はバヨネット構造のある専用のもので非常に薄く作られていて、不使用時にはバッテリー室の蓋に嵌め込む事が出来ます。
ソケットに取り付ける事で「 ミゼット球 」の使用を可能にします。
NATIONAL PB II
〈 minolta auto wide 〉
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〈 NATIONAL PB II 〉
《 松下電器産業 株式会社 》の『 NATIONAL : ナショナル 』ブランドの製品〈 NATIONAL PB II 〉もまた、『 ソケット変換アダプター 』を内蔵したフラッシュガンです。
着脱式のアダプターを本体に嵌め込むかたちで内蔵した『 WEST 』ブランドの〈 WEST HYPER B II 〉とは異なり、『 ソケット変換アダプター 』は本体に組み込まれています。
アダプター本体内部のソケット下部にヒンジで留められていて、不使用時にはバッテリー室の部分に格納されています。
使用するにはハッチになった本体正面の全体を上方向に開いて、アダプターを留めているヒンジをソケット側に倒してセットします。
セットされるアダプターは〈 WEST HYPER B II 〉と同じ「 ミゼット球 」用です。
《 松下電器産業 株式会社 》と《 ウエスト電気 株式会社 》は1956年に業務提携をしています。
フラッシュバルブの製造メーカーで関連製品のフラッシュガンも多く手掛けていた《 ウエスト電気 株式会社 》は、業務提携後には《 松下電器産業 株式会社 》の販売網で『 WEST : ウエスト 』ブランドの製品を積極的に展開しています。
フラッシュバルブのパッケージには両社のブランドが併記されたものがありますが、1960年頃になると『 NATIONAL : ナショナル 』ブランドの商品展開と統合されて『 WEST : ウエスト 』ブランドは使用されなくなって行きます。
《 ウエスト電気 株式会社 》の製品展開からは、重く嵩張る「 ピンベース 」バブルに代わる規格として「 ミゼット球 」の製造販売に力を入れていた事が窺え、業務提携後にも両社によってその製品展開が継続されたと考えられます。
〈 WEST HYPER B II 〉と〈 NATIONAL PB II 〉とは、「 ミゼット球 」の普及と販売に注力した両社の製品開発による、同一線上にある製品だと見る事が出来ます。
後には、『 NATIONAL : ナショナル 』ブランドの「 ミゼット球 」専用の小型フラッシュガンも登場しています。
その一方で「 ソケット変換アダプター 」によって別種の規格へ対応する方法は、その後ソケットそのものを多規格対応させる方式が登場するまでの過渡期的なものとなっていますが、次々と登場するソケットの規格に対応させる工夫の軌跡として興味深いものがあります。
- 製品そのものに記されている〈 NATIONAL PB II 〉はモデル名として扱われているもので、パッケージや取り扱い説明書のタイトルにある〝 ナショナル ハイパー発光器 PB-2 〟が商品名であると判ります。
- 品マニュアルでカメラへの取り付け方法を説明するのに使用されている画像には、《 千代田光学精工 株式会社 》の35㎜判レンズシャッター機〈 minolta V2 〉が用いられています。
トップカバー正面の『 minolta 』ブランドの表示部分が写り込んでいて、敢えて切り取らずに意図的に写し込んだように見える構図です。- 〈 minolta V2 〉は、レンズシャッター機では当時の世界最速となる シャッタースピード1/2000(秒)を実現したカメラで、《 千代田光学精工 株式会社 》と《 シチズン時計 株式会社 》が共同開発した「 OPTIPER CITIZEN HS 」シャッターを搭載した製品です。
『 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 』の背面にある露出計算盤に『 ウエストバルブ 』を表示している事から、その製造元が《 ウエスト電気 株式会社 》ではないかとの見方をしましたが、〈 NATIONAL PB II 〉に付属の説明書には同製品をカメラに取り付けた状態を示す挿画に〈 minolta V2 〉が登場しています。
このような説明画像では殆どの場合、仮に製品の特定が容易であってもブランドロゴを消すか見えないようにして用いるか、高級な機種を意図的にそれと判るようにしつつモデル名が映らないようにして登場させています。
ところが、〈 NATIONAL PB II 〉の説明書では他社の商標である『 minolta 』のロゴが見えるかたちで用いられています。
この事は、《 千代田光学工業 株式会社 》と《 ウエスト電気 株式会社 》の協力関係が、後者と《 松下電器産業 株式会社 》の業務提携が『 WEST 』ブランドを使用しないかたちになって以降にも、両社間で継続していた事を窺わせます。
マツダ TYPE B.C. V GUN
〈 minolta auto wide 〉
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〈 マツダ TYPE B.C. V GUN 〉
〈 マツダ TYPE B.C. V GUN 〉は、アメリカの電球ブランド『 MAZDA 』のライセンスで各種電球製品の製造販売を行なっていた《 東京芝浦電気 株式会社 》のフラッシュガンです。
『 MAZDA LAMP:マツダ ランプ 』の名称で広く知れ渡っていた電灯電球メーカーであった同社が、『 マツダ 』ブランドで販売するフラッシュバルブの関連商品として製造され、同じようにフラッシュバルブのメーカーでありフラッシュガンの製造販売を行なった《 ウエスト電気 株式会社 》の商品展開と重なります。
製品名にある通り、電源には22.5V積層乾電池とキャパシターを組み込んで使用するB.C.方式のフラッシュガンです。
フラッシュガン本体にはシンクロコード用のソケット穴が3つあり、2極あるプラグの差し替えによって単三型普通乾電池2本での使用出来る仕様になっています。
- シンクロコードが一体型でなくフラッシュガン本体にソケット穴が3つあり、電源によってプラグの差し込み方を変える仕様が〈 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 〉と同じ方式です。
〈 マツダ TYPE B.C. V GUN 〉と〈 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 〉の両製品は使用方法が同じだというだけでなく、各種ボタン類などの部品が酷似していて、一見すると同じものが使われているように見えるほどです。
しかし比較してみると同じ部品ではなく、サイズや素材や色までもが大変よく似た別のものである事が判ります。
同じ規格の製品である両製品に似ている部分がある事は当然だともいえますが、バッテリー室内部に貼られた使用方法を示したラベルなどは、あまりにもよく似た別のものが付けられています。
電池室のフタに付けられている背面の「 露出計算盤 」も〈 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 〉と同じようなものが付いており、使用する〝 フィルム 〟 と〝 フラッシュバルブ 〟製品を記載する表示方法も同様です。
フラッシュバルブを『 マツダバルブ 』としているのも、『 ウエストバルブ 』と表示している〈 ミノルタ ジュニアー B.C. 発光器 〉の場合と同じです。
〈 Minolta Baby Flash 〉
〈 Minolta Baby Flash 〉
〈 Minolta Baby Flash 〉は1957年に発売された〈 Minolta16 〉専用の附属品として用意されたフラッシュガンです。
アンブレラを構成する羽根は11枚で〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉の13枚より少なく、サイズも小さいものになっています。
「 通電確認のテストランプボタン 」も「 オープンフラッシュ撮影用の発光ボタン 」も備えていないシンプルな仕様の本体は曲面が多く、製品名のイメージに違わない全体として丸みのある形状にデザインされています。
付属のジップケースに収納するとコンパクトになり、16㎜フィルムカートリッジ仕様のカメラ用に作られた製品である事を納得させます。
〈 Minolta16 〉専用の附属品になっていますが、専用の規格という事ではなく、通常のフラッシュ製品と同様に他のカメラで使用する事が出来るものです。
シンクロコードは一体型で、シャッターへの接続プラグは垂直に挿し込むタイプのものではなく、不意に外れてしまう事のないよう改良されたL字型が採用されています。
電源は22.5V積層乾電池とキャパシターを組み込んで用いるB.C.方式です。
〈 minolta auto wide 〉
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〈 Minolta Baby Flash 〉
背面には計算盤などの表示類は無く、中央に浮彫りの『 Minolta 』のロゴマークがあります。
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〈 minolta Deluxe – Ⅱ 〉
〈 minolta auto wide 〉
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〈 minolta Deluxe – Ⅱ 〉
〈 minolta Deluxe – Ⅱ 〉は、上下方向への『 バウンス 』機能があるクリップオン式のフラッシュガンです。
アンブレラの羽根は14枚あり、折りたたんで重なる一枚目にあるホックを開いた最後の一枚にあるスリットに引っ掛けて留めます。
スリットは手前と奥の2箇所にあり、ホックを留める場所を変えて『 アンブレラの開きを2段階調節 』する事が可能です。
フラッシュバルブを取り付けるソケットは、「 ピンベース( スワンベース )」と、ベースレスの「 AG型 」をアダプターを介さずに差し込める「 2Wayソケット 」になっています。
1枚目の羽根にあるホックを留めるスリット穴は最下段の14枚目に2つ設けられていて、留める深さを変えてアンブレラの開きを2段階で調節する事が出来ます。
電源には15V積層乾電池1ケとキャパシターを組み込んで用います
〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉で可能であった単三型普通乾電池2ケでの使用は出来なくなっています。
積層乾電池とキャパシターは15Vのタイプで、単三型電池とサイズ互換がない小型の規格を使用します。
また、着脱式だったシンクロコードはフラッシュガン本体につくり付けとなり、カメラ取り付け側のプラグには不意に外れてしまう事のないよう改良されたL字型のものが採用されています。
背面にモデル名の〈 minolta Deluxe – Ⅱ 〉が浮き彫りで記されています。
計算盤の形は〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉とほぼ同じですが、フラッシュバルブの製品名の表示はガイドナンバーへと変更され、距離表示は[ FEET ]と[ METER ]を併記するスタイルになっています。
〈 Minolta Baby BC-Ⅲ 〉
16㎜フィルムカートリッジ仕様の小型カメラ向けの製品で、マッチ箱を思わせる角型の本体に前倒しに折りたたむ方式の反射板など、携行性に優れた製品です。
「 テストランプボタン 」がシンクロコードのシャッター取付けプラグの基部にあり、通電確認の機能を廃止せずに本体の小型化が図られています。
電源には15V積層乾電池1ケとキャパシターを組み込んで用います。
〈 minolta auto wide 〉
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〈 Minolta Baby BC-III 〉
16㎜フィルムカセットを使用する〈 Minolta 16 〉シリーズ用に企画製造された製品ですが、専用規格のプラグではなく、通常のフラッシュ製品と同様に他のカメラで使用が可能であるのは〈 Minolta Baby Flash 〉と同様です。
本体に直接配線されたシンクロコードは、各種の製品に取り付けるのにも充分な長さがあります。
背面には「 AG -1/ US -1」のフラッシュバルブに対応したガイドナンバー表が記された円形のプレートが取り付けられています。
〈 minolta DELUXE Ⅲ 〉
〈 minolta auto wide 〉
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〈 minolta DELUXE Ⅲ 〉
〈 minolta DELUXE Ⅲ 〉は、『 ホットシュー 』に対応した[ ミノルタ ]ブランドの【 フラッシュガン 】としての完成形ともいえるモデルです。
上下方向への『 バウンス 』機能を持ち、展開する羽根の留め方を変えて『 アンブレラの開きを2段階調節 』する事が可能です。
羽根の枚数は13枚で〈 minolta Deluxe – Ⅱ 〉より少なく、〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉と同じ。
フラッシュバルブを取り付けるソケットは、「 ピンベース( スワンベース )」と「 M2ベース 」、ベースレスの「 AG球 」をアダプターを介さずに差し込める『 ユニバーサル・ソケット 』で、〈 minolta Deluxe – Ⅱ 〉の『 2ウェイ・ソケット 』を更に発展させたものになっています。
電源には15V積層乾電池1ケとキャパシターを組み込んで用います。
背面にはモデル名〈 minolta DELUXE Ⅲ 〉を表記してデザインされたラベルが付けられています。
露出計算盤は〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉と〈 minolta Deluxe – Ⅱ 〉とは違うタイプになり、本体ボディと一体で成形された円形の枠にスッキリとした表示の洗練されたスタイルのものになっています。
1枚目の羽根にあるホックを留めるスリット穴は最下段の13枚目に2つ設けられていて、留める深さを変えてアンブレラの開きを2段階で調節する事が出来ます。
バウンスは上下方向に6段階の調節が可能です
「 ピンベース 」と「 AG球 」の2規格に対応するものだった〈 minolta Deluxe – II 〉の『 2ウェイ・ソケットを更に発展させ、「 M2ベース 」の使用も可能にして3規格対応になっています。
「 AG球 」の〝 AG 〟は、「 All(オール) Gla s s (グラス) 」の頭文字で、金属製のベース(基部)を持たない事を表した呼称です
金属製のベースを無くして小型軽量化が図られた規格では他に「 ミゼット球 」がありますが、後に登場した「AG球 」に取って代わられるようにして製造されなくなっています。
フラッシュバルブの製造技術が向上して同サイズでの発光量が大きくなって行くなかで、ピンベース製品に替わる次世代規格として登場しますが、結果的に支持されず市場から消えたかたちです。
「 ミゼット球 」には様々なサイズがあり「 AG球 」より多くの用途をカバーする規格でしたがプロフェッショナル向けの要件を備えるには至らず、ツバがあるために「 AG球 」ほどコンパクトでないうえ円形であるのに上下がある等、コンシューマー向けとしての簡便さでも「 AG球 」が支持を得たようです。
〈 minolta DELUXE Ⅲ 〉は『 ホットシュー 』に対応しており、シューの底部には接続接点のピンが設けられています。
「 シンクロコード 」は本体に直結されていますが、『 ホットシュー 』に取り付けて用いる場合には電池室の内部に格納しておく事が出来ます。
〈 minolta DUOFIT S 〉
〈 minolta DUOFIT S 〉
〈 minolta DUOFIT S 〉は「 AG球 」フラッシュバルブ専用の小型フラッシュガンとして、[ ミノルタ ]ブランド製品の完成形ともいえるモデルです。
『 ホットシュー 』の接点を備えており、「 シンクロコード 」を小さな本体に収納する事が出来ます。
本体の樹脂素材が〈 minolta DELUXE Ⅲ 〉と同じで、モデル名を記したラベルデザインも統一された同世代の製品です。
本体にコンデンサーがありキャパシターは組み込まず、15V 積層乾電池1個を電源として用います。
〈 minolta auto wide 〉
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〈 minolta DUOFIT S 〉
本体の外装はモナカのように前後にハメ合わされていて、背面側の全体を取り外す事が出来ます。
電源には15V積層型乾電池1個を使用します。
内部にコンデンサーがあり、電池型のキャパシターを使用しません。
背面にフラッシュバルブのガイドナンバー( GN )表があります。
AG球の規格は種類が少なく、表にある「 AG -1」「 AG -3」「 AG-3B 」が主で、この他にはサイズがひと回り大きい「 AG -6 」があります。
〈 minolta DUOFIT S 〉の反射板はソケットの背面を囲むだけの狭い幅しかありませんが、「 AG -6 」の取り付けも出来ます。
『 ホットシュー 』に接続して使用する際には、「 テストランプ 」周囲にある僅かな空間に「 シンクロコード 」が収納出来ます。
直線的な方形の本体はコンパクトで、専用ケースに収納するとフラッシュガンと分からない様な姿となります。
使用するAG球の製品箱と比べても、ひと回り大きい程度のサイズです。
〈 Minolta B.C.B. 〉
〈 minolta auto wide 〉
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〈 Minolta B.C.B. 〉
〈 Minolta B.C.B. 〉は、〈 ミノルタ ジュニア B.C 発光器 〉より以前のフラッシュガン製品です。
モナカのような構造の金属製の本体に椀型の反射板が組み合わされ、全体に縮み塗装が施されています。
電源にはキャパシターと22.5V積層乾電池を組み込んで用います。
フラッシュバルブ用のソケットは、エジソンベースの中央部にねじ込み式のアタッチメントが取り付けられていて、ピンベース( スワンベース )に対応しています。
背面にピンベース使用時のバルブ排出ピン ( エジェクター ) が付いていて、エジソンベースのフラッシュバルブに対応したピンベース仕様の製品であると見る事ができます。
給電にも対応した増灯用のソケットが正面に並び、シンクロコード用のソケットは多規格に対応、薄型の本体に豆電球を組み込んだテストランプを備えている等、本格的な製品然とした佇まいです。
取り付けシューはレール状のバーになっていて、タテとヨコの向きを無段階に変える事ができます。
十字方向にスリ割りがあるアタッチメントのタテかヨコ何れかのスリットに、バルブのベース部分のピンを合わせて差し込みます。 ピンベース用のアタッチメントは、エジソンベースソケットの底にねじ込んで取り付けます。
十字方向にスリ割りがあるアタッチメントのタテかヨコ何れかのスリットに、バルブのベース部分のピンを合わせて差し込みます。
取り付けシューはカーブしたレール状のもので、背面の留めネジで固定位置を変える事が出来ます。
電源にはキャパシターと22.5V積層乾電池を用います。
電池室の底面に組込み方がイラスト表示されていて、キャパシターは「 POWER UNIT 」と表記されています。
画像のキャパシターには紙巻きのラベルに POWER UNIT B.C.B 22.5V BCB 用 パワーユニット と印刷されています。
フラッシュバルブ用のソケットの隣りにテストランプ用の豆電球を組込むソケットがあり、本体側面にテストボタンが付いています。
テストランプの豆電球を直接確認する開口部が背面に設けられています
右手側の側面に「 SGL.CORD( Single Cord )」と「 DBL.CORD( Double Cord )」に対応したシンクロコード用のソケットがあります。
正面に3つ並ぶ増灯用ソケットは、右手側がシンクロ用で左手側の2つが給電用。
右手側の側面に「 SGL.CORD( Single Cord )」と「 DBL.CORD( Double Cord )」に対応したシンクロコード用のソケットがあります。
正面に3つ並ぶ増灯用ソケットは、右手側がシンクロ用で左手側の2つが給電用。
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〈 minolta electroflash 〉
〈 minolta electroflash 〉
〈 minolta auto wide 〉
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〈 minolta electroflash 〉
オートワイド12
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